自然な革でクツロギのお時間【愛知】
前回、愛知に行った際に山恵さんと、その山恵さんからイノシシの革を頂いて商品を作っている職人さんにインタビューしてきました。
今回は、その革職人さんのお話し。まるで数珠繋ぎですね。
革の商品といえど、幅は広い。
どんな商品を扱っているのでしょうか?
靴やバッグ、小物などの革製品をつくり、販売しています
どんなコダワリが隠れているのか
商品を見ただけでは分かりにくい部分に迫っていきたいと思います。
作り手さんの中島さんは、循環可能な社会(サスティナビリティ)に関心があり、革も環境に優しいタンニン鞣しのものを使っています。
最近では獣害として駆除された野生の猪や鹿などの獣革の作品作りに力を入れています。(これが山恵さんとの関りですね)
また、長く使うことによって味わい深くなるタンニン鞣しの革を使っているので、なるべくシンプルなデザインになるよう意識しています。
例えば、山恵さんの革の商品は、獣の感じをあえて活かして無駄がないようにしたり。(下は特に意識してつくられたバージョンで傷もデザインに生かしています)
どういう考えがあって、どんな想いで、どれだけ続けてきたか
10代の頃から、何か手に職を持って独立したいと思っていました。
看護師だった母の紹介で義足やコルセットなどを作る義肢装具士の専門学校へ進学したのですが、
在学中に靴作りに出会い(靴作りも義肢装具士の仕事のうちのひとつです) 靴作りをして生きていこう、と思うようになりました。
卒業後は大阪の会社で、足の不自由な方向けのオーダー靴を製作していました。
3年ほど経った2011年、東日本大震災があったり、母の乳癌が見つかったりで、一旦地元愛知へ帰ろうということになりました。 とは言え、地元愛知では思うような仕事が見つからず、少し早いのではと思いながらも2012年のはじめ、独立することにしました。
お店も無い中でのスタートだったので、 最初は知り合いの方からのご注文を頂いたり しながら、手づくり市のようなイベントを知って出店をしたりするようになりました。
靴だけでなく、販売する商品として小物やバッグを作るようになったのもこの流れからです。
(上写真:靴logiの中島さん)
今の仕事を始めて2年ほど経った2014年の1月のことです。
革を扱う仕事をしている、ということで猟師さんに付いて、解体途中の鹿の皮を自分の手で剥ぎ、その皮を鞣したことがありました。
その時に「いのち」の上に僕らの生活が成り立っているという、ごく当たり前の事実に愕然としたそうです。
「クリックひとつでなんでも手に入る現代では、モノとヒトの距離が離れすぎてしまって、そんな当たり前のことも理解するのが難しいことになっているんだな」と。
「311から3年が経ち風化が叫ばれ始めた原発の問題も含め、今の社会が進む方向には何か大切なことが抜けてしまっているように感じました。
本当に大切なことは、僕らの子供の、そのまた先の、世界中の子供たちが幸せに暮らしていけること。
自然環境と調和の取れる幸せの形を模索したい。
それは、いつまでも右肩上がりに経済的な成長を目指すことではないと思うようになりました。 とは言え、そんな資本主義社会の恩恵、例えばインターネットの普及や物流の発達は、これ無くして僕の仕事は成り立たないのも事実です。
「成長の途上にあるこの社会システムの中で僕なりにバランスを取って生きていきたい。
この想いとも繋がるようにタンニン鞣しの革で飽きのこない、壊れにくい シンプルなデザインのもの。
もともと好きで選んだ素材やデザインコンセプトも、以前より自分の中で納得がいくようになり、さらに素材やデザインにこだわることを意識するようになりました。
革そのものも、牛革だけではなく 猪や鹿など地元愛知の動物の革を使わせて頂けるようになったこともとても嬉しいことです。
この革の魅力を少しでも多くの方にお伝えできたらと試行錯誤の最中です。
2015年には住居兼、工房兼店舗となる 現在の住まいにも出会いました。
築60年の古くて味のある元お茶屋さんです。セルフリノベーションを施したこの場所も とても気に入っています。」
靴logiとしてスタートしてからまもなく5年。
こうしてモノ作りを続けて来られたことに感謝です。
いやぁ~~~~
素敵なお話が聞けてしまって本当もはや満足してしまう勢いです。
自分の生きたい生き方を体現している、そんな中島さん。
様々な人生の過程での気づきや学びを最大限生かされていらっしゃいます。
いつもフレンドリーで、おもてなししてくださりますが、皆さんも中島さんの優しさや力強さを感じられたのではないでしょうか。
はてさて、そんな中島さんですが、自分が革の仕事をする上で素材にこだわるほど悩んだり、はたまた生き方で悩んだり。
今年の春には子供も生まれ、1人での仕事はなかなか思うように進みません。 靴logiとしてできる事、家族での時間など、経済的な部分も含めたバランスの取れた暮らしを どんなふうにしていったら良いか、 悩みながらの毎日です。
と、やはり簡単には自己実現できませんよね。
上手くいくばっかりじゃない。
皆さんも良い親近感が湧いたのではないでしょうか。
そんな中島さんのキニナル未来図は!??
作品つくりの部分で言えば、現在では革の小物や、バッグなどが多くなったのですが、定番品としての靴のバリエーションを増やしていきたいと思っています。
暮らしのうえでは、忙しくなってからできていない、畑での野菜作りを子供と楽しみながら暮らせるようになったら良いなぁ、とも考えています。
定番、というか靴づくりのプロですもんね。
原点を忘れず大事にしたい感じが中島さんらしくて素敵
そしてそう、中島さんは野菜も作っているのです。
店舗もセルフリノベーションですしね!気になる方は是非店舗へ遊びに行ってみてくださいね♪
革製品、買ったことありますか?
なかなか買う機会がないように思います。どんな方が買われるのか参考にきいてみました^^
お客様自身で使いたい、身近な道具のひとつとして買われる方も多いですが ファーストシューズなどは出産祝いなどで ご注文される方もとても多くなりました。
なるほど、なるほど。
ファーストシューズの贈り物で革靴・・・粋です!!オシャレ!!
贈り物で被らなさそうですし、色んな想いをそこに込められそう。履き終わっても飾りになっちゃいそうですしね♪
ヨーロッパでは使い終わったファーストシューズを玄関先に飾るとその家庭に幸せを呼び込むという言われも!
身近なものが、より愛着の湧くものになる革製品。
共に色を重ねていく感じを、体感してみてはいかがですか^^?
★今回のゲスト: 靴logi~original shoes insole and other~ 中島徹也さん
HP: http://kutu-logi.jimdo.com/
(オンラインショップ可、お問い合わせもこちらからどうぞ♪)
住所: 〒443-0043 愛知県蒲郡市元町13-17(JR 蒲郡駅より北へ約3分)
営業時間: 10:00~日暮れまで
営業日: HPのカレンダー参照
mail: kutu.logi@gmail.com